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中国向けサイトの運用は難しい?制作時にぶつかる6つの壁を紹介

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近年、国外にも自社のサービスを広めるための対策として、多言語対応サイトの運用に注目が集まっています。
とくに日本と距離が近く、巨大な市場規模を誇る中国へのアプローチに成功すれば、大きな利益が見込めることは間違いありません。

しかしながら、中国向けサイトの制作にはさまざまな障害があり、そのすべてを克服しなければ中国へのアプローチのスタートラインにも立てないのが現状です。

そのため本記事では、中国向けサイトの制作時にぶつかる6つの壁を紹介します。
サイト制作を始めてから「こんなはずじゃなかった!」とならないように、本記事を読んで、中国向けサイトの制作・運用の障害を理解しましょう!

多言語サイトの重要性

近年、インバウンドや円安の影響で、日本に訪れる外国人観光客は増加の傾向をたどる一方です。

観光庁が実施している「インバウンド消費動向調査(旧 訪日外国人消費動向調査)」では、2024年4-6月期の訪日外国人旅行消費額は2兆1,370億円となっており、この結果は2023年4-6月期の約1.73倍にも及びます。
とくに、中国人観光客の旅行消費額は1年間で約2.87倍にも増加しており、1.5倍程度の増加に留まった米国・台湾・韓国と比べると、増加率の差は圧倒的です。

このような調査結果を踏まえると、Webサイトの多言語対応、中国語への対応は大きなビジネスチャンスを掴むカギだと言えるでしょう。

最大の壁:グレートファイアウォールとは?

前章で紹介したとおり、中国語に対応したWebサイトは、あなたの事業を大きく成長させる可能性を秘めています。
しかし、閲覧数の多い中国向けサイトを制作・運用するためには、さまざまな問題をクリアしなければなりません。

本章では、中国向けサイトを運用する際の最大の壁「グレートファイアウォール」をわかりやすく解説します。

グレートファイアウォールとは

「グレートファイアウォール」とは、中国のインターネット検閲システムのことです。
60以上の条例があり、グレートファイアウォールによって、日本や世界では当たり前に使われているサービスが、中国では閲覧・利用できないように制限されています。

以下で紹介するサービスが使用されているコンテンツは、中国では閲覧できないか、表示・動作が正常に機能しません。
そのため中国向けのサイトを運用する際は、グレートファイアウォールに制限されていない代替サービスを探して置き換える必要があります。
つまり、中国で閲覧されるサイトを作るためには、日本向けに開発したWebサイトを中国語に翻訳するだけでは不充分だと言えるのです。

Google関連サービス Google(検索エンジン)・Google Map・Google Calendar・Google Forms・Google Fonts・Google Analytics など
Yahoo!関連サービス Yahoo!(検索エンジン)・Yahoo!ショッピング など
SNS LINE・Facebook・X(旧:Twitter)・Instagram など
通販サービス Amazon
動画サービス YouTube・ニコニコ動画 など
反中国的あるいは年齢制限が設けられているコンテンツ
  • 中国に対する言論に制限が設けられておらず、批判的な意見が集まると予測されるサイト・メディア・掲示板 など
  • 18歳未満は閲覧できないなど、年齢制限が設けられているコンテンツが掲載されてるサイト・メディア・掲示板 など

グレートファイアウォールが招く問題

グレートファイアウォールは中国向けのサイトを運用するうえで、さまざまな問題を引き起こします。
以下で、グレートファイアウォールによって起こる問題とその原因を紹介するので、中国向けのサイトを運用したいと考えている方は、ぜひ目を通してみてください。

原因 問題
グレートファイアウォールで制限されているコンテンツを埋め込んでいる
  • Google Map
  • YouTube
  • SNSのコメント

・・・など

  • サイトの読み込みに時間がかかる
  • サイトが正しく表示されない
  • サイトが正しく動作しない
  • 検索結果でヒットしない
グレートファイアウォールで制限されているシステムを利用している
  • jQuery
  • JSON

・・・など

アクセス解析にグレートファイアウォールで制限されているシステムを利用している
  • Google Analytics
  • Google Search Console

・・・など

第2の壁:サイト開設の難易度が高い

日本のサーバー上にWebサイトを構築している場合、物理的な距離とグレートファイアウォールの影響で、中国からのアクセス時は読み込みが遅くなることがわかっています。

読み込み速度を改善するためには、中国のサーバーを使用すれば良いのですが、中国でサイトを開設するハードルは、日本に比べて非常に高いです。
中国でWebサイトを開設するためには、ICP(Internet Content Provider)と呼ばれるライセンスを取得する必要があります。
そしてICPは、法人や駐在所などの物理的な拠点を「中国に」持っていなければ取得できません。

まだ中国内に事務所や駐在所などを持っていない事業者が、Webサイトを開設するためだけに物理的拠点を用意するのは、非常に困難であると言えるでしょう。

第3の壁:SEO対策のルールが異なる

中国では、おもに「Baidu(百度)」という検索エンジンが利用されています。
つまり、日本向けのサイトと同じようにGoogleの評価基準に従ったコンテンツ制作をしても、Baiduでは評価されない可能性があるのです。

中国で閲覧数が伸びるサイトを運用するためには、Baiduの評価基準に沿ったコンテンツを制作したり、Baiduのアップデート情報にアンテナを張ったりして、BaiduのSEOの波に乗り遅れないようにする必要があります。

第4の壁:文化を理解したコンテンツ制作が必要

中国向けのサイトを運用する際は、中国の文化を理解したコンテンツの制作が必要です。

誤字脱字や不自然な改行でユーザーがサイトから離脱しやすくなるのは当然ですが、コンテンツ内に中国の検閲制限に引っかかる用語があれば、コンテンツが表示されない可能性もあります。
また、中国では住所の記載方法が統一されていない地域があるため、表記に気を配っていないと、誤った表記で読者に違和感を抱かれるケースもあるでしょう。

さらに、中国と日本では色の捉え方が異なります。
コンテンツのデザインによっては、意図している内容が正しく伝わらない可能性があるので、細心の注意が必要です。

色のイメージが日本と異なる代表的な例
葬儀に用いられる色のため、マイナスなイメージを与える可能性がある
黄色 性的な表現と捉えられるケースがある
緑色の帽子 浮気を表すケースがある

第5の壁:ECサイトはカスタマーサポートの返信速度が命

中国ではECサイトの「お問い合わせ」は、チャットサポートが主流です。
さらに、中国のチャットサポートの返信速度は、日本に比べて非常に早いと言われています。

そのため、ECサイトの問い合わせ方法がメールのみの場合、メールの問い合わせに慣れていないユーザーや返信速度に不満を持ったユーザーが、商品の購買までたどり着かない可能性があります。

第6の壁:ブラウザになじみがない

中国では、ブラウザ検索と比較して、SNS検索が圧倒的なシェアを誇っています。
とくに「口コミ」を重視する若者の購買行動は「SNS検索」「ECサイトにジャンプ」「購入」との流れになっているため、ブラウザの入り込む隙がありません。
また中国では、99%の人々がモバイルでインターネットを活用しているため、日本以上にモバイルフレンドリーを意識したデザインが重要になります。

参照:中国ビジネスCOMPASS,2022年下半期 中国のインターネット利用状況(第51回 中国インターネット発展状況統計),2022年下半期 中国のインターネット利用状況(第51回 中国インターネット発展状況統計) – 中国ビジネスCOMPASS by クララ

【まとめ】中国向けサイトの制作は難易度が高い

本記事では、中国向けサイトの制作時にぶつかる6つの壁を紹介しました。
これまでの内容をまとめると以下のとおりです。

サイト制作時の壁 おもな問題
グレートファイアウォール 検閲制限によりサイトが表示されない可能性がある
サイト開設の難易度が高い 中国のサーバーに開設する場合は、中国国内に法人が必要
SEO対策のルールが異なる Baiduの評価基準を理解する必要がある
文化を理解したコンテンツ制作が必要 使用する用語や配色に注意が必要
ECサイトはカスタマーサポートの返信速度が命 返信が遅いとユーザーに離脱される可能性が高い
ブラウザになじみがない SNS検索が主流のため、ユーザーがサイトにたどり着かない可能性が高い

中国向けサイトの制作・運用には、さまざまな壁が立ちふさがります。

また上記の問題をすべて解決するためには、自社のサイト担当者に勉強してもらうか、専門家の力を借りる必要があります。
しかし、通常のサイト制作・運用より高度な知識が必要となるため、サイト担当者・専門家のどちらに任せても、時間・費用ともに嵩むことは間違いありません。

そのため中国向けのサイトを制作する前に、「サイトにかけた時間・費用を上回る利益が得られるのか」をよく検討する必要があります。
安易にサイト制作を進めると、無駄な労力を払っただけに終わる可能性もあるので、作業に着手する前に、サイト制作プロジェクトのタイムパフォーマンス・コストパフォーマンスを計算しましょう。

テラ合同会社(東京都)

テラは2014年に東京都でスタートアップしたホームページ制作会社です。ホームページ制作以外にも広告運用、マーケティング、ブランディング、印刷物など幅広い領域をサポートしています。
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